いじめ対策

いじめの原因は何か?加害者・被害者の視点で読み解く

新聞やメディアにおけるいじめに関する記事を目にして、心痛める事も多いです。

いじめの発端は、いつどこにでも起こり得る可能性があります。

ですが、なんでいじめが起こるのか?その原因についてしっかりと理解をしていなければ、本当の意味での対処になりえません。

ここではいじめの原因を被害者・加害者の目線で書いていきます。

いじめとは?定義など

まず、「いじめ」はどんな状態かを見ていきたいと思います。

定義を幾つか紹介して行きます。

いじめ防止対策推進法

「児童生徒に対して、(一部省略)他の児童生徒が行う心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものを含む。)であって、当該行為の対象となった児童生徒が心身の苦痛を感じているもの」

三省堂『大辞林』

「自分より弱い立場にある者を、肉体的・精神的に苦しめること」

 

これらの定義を見ても「いじめ」は、一方の側が、もう一方に心身への苦痛を与える行為を示すものだと言えます。

難しいのが、被害者側の苦痛の度合いは人によってそれぞれというところです。

いじめではなく、ちょっとしたじゃれ合いだと感じる子もいれば、同じ行動を受けたにもかかわらず深刻ないじめととらえる子もいます。

そのため、親側からすればよくわからない部分も出てくるわけです。

ですので、「嫌なことは嫌」としっかりと態度で示すことが出来るように、子供に教育をする必要があります。

 

いじめが起こる原因

次に、何故子供達の間でいじめが起こってしまう原因は様々です。

“異なる者を受け入れない”“面白半分”“家庭の事情を取り上げる”といったあらゆる感情が出てます。

特に“異なる者を受け入れない”という部分に関していえば、小中学生だけでなく会社勤めでも起こりえます。

 

一方で、いじめは、いじめる生徒(加害者)といじめられる生徒(被害者)の単純な構造で成り立っているとは限りません。

周囲には、起こっているいじめを面白がる等して見る生徒“観衆”や、いじめに巻き込まれたくないが故に見て見ぬ振りをする生徒“傍観者”等がいたりと、誰でもいじめに関わり得ると考えられます。

更に最近は、SNSを利用したいじめも増加しています。

匿名を使用した誹謗中傷の投稿により、被害者と加害者の関係が悪化してしまっています。

 

環境による原因

いじめが起こりやすい要因の一つで、子供達にとって不満やストレスが多い環境があると考えられます。

それにより、他者へ攻撃的な言動や行動を向けてしまうこともあります。

怒りや八つ当たり、かまって欲しいという様な感情等が、いじめの原動力となりえますので、生活水準の高い地域や学校などでは、いじめは少ないという報告もあります。

 

いじめられる子供の特徴(被害者)

それでは、いじめられる子供の特徴を見ていきたいと思います。

しかしながら、これから取り上げるのはあくまで“目安”ですので、これを完全にいじめの“原因”と位置づけるのは避けた方がいいです。

周囲より目立っていたり、特徴がある

学力やルックス等、周りと違う特徴がある場合、いじめの標的になりやすい傾向があります。

他にも、発達障害があったり、海外のルーツがあったりすると、周囲からの違いを意識されやすくなります。

 

周囲に合わせられない

学校や教室内にて、先生やクラスメート達の“空気”を読めなかったりすると、いじめに遭う可能性が高くなります。

これは“右向け右”とか“同調性”を求められる環境から来ると言われています。

 

引っ込み思案や内気な性格

内気な性格や引っ込み思案だったりすると、いじめられても抵抗の意思を伝えられなかったりします。

それにより、更に格好の相手として狙われてしまう可能性も高くなります。

 

いじめる子供の特徴(加害者)

次に、いじめを引き起こす加害者となった立場について考えてみたいと思います。

 

ストレスや遊びからの発端

いじめの標的となった子供に対し、加害者側は学校や家庭内で起きたストレス等を矛先として向ける、かつ遊びや快楽という身勝手な理由で行ってしまう傾向もある様です。

周囲もいじめに加担し得る

いじめのリーダーとなった者に対し、周囲もいじめに巻き込まれまいとして、同調の意思を示す様子も見られます。

そして、周囲は“観衆”や“傍観者”としていじめに加担していく可能性が高くなっていきます。

 

自分の子供が加害者や傍観者にならないように注意していきたいです。

 

実際にあったいじめの種類

ここからは、実際に起こったいじめについて取り上げていきたいと思います。

いじめの例としては、“悪口を言われる”“無視され仲間はずれにされ”“暴力を振るわれる”といったものがあります。

近年は、パソコンやスマホを使ってのSNSによるネットいじめも増加しており、いじめが多様化しているのが伺えます。

 

更に、いじめの事例についても幾つか取り上げていきたいと思います。

事例1 グループ内でのいじめ

ある女子学生の五人は、同じクラスで仲が良く、常にグループ行動をしていました。

ところが、グループのリーダー格だったAさんは突然、他のメンバーから仲間外れを無視されてします。

Aさんはクラスで人気があり、メンバーから嫉妬を買われての事でした。

そしてメンバーは、周囲の生徒にAさんの陰口を言いふらす様になります。

Aさんは不登校になってしまったとの事です。

 

これは、ある一定の時期までは仲間として付き合っていたのに、学力やルックス等で周囲と優れて人気があり妬んだ事からのいじめです。

事例2 特徴を指摘したいじめ

B君は肥満傾向があり、学校でも成績が著しくない傾向がありました。

そんなB君が、“デブ”や“バカ”と罵られたり、暴力を振るわれる等のいじめを受けたそうです。

いじめた側は、異質なところがあるB君に対し嫌悪感や拒否感を持ち、悪口や暴力で示しました。

いじめの原因まとめ

子供を持つ親からすれば、自分の子供がいじめの加害者・被害者になって欲しくないというのが一番の願いです。

ですが、そのいじめが原因で将来の社会生活に支障をきたさないか?ということが大きなポイントだと言えます。

生きていく上で問題は様々降り注いできます。

そんな時に、いじめをはじめとした大小さまざまな問題を乗り越える力をつけて欲しい。

というのが、親としての正直な思いではないでしょうか?

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